サカモトの3次元対応
3次元への取り組み
昨今客先よりモールドベース手配を3次元CADデータのみで発注できないかとの問い合わせが、増加してきています。
モールドベースの3次元化は、金型メーカーの構造設計時間の短縮になるばかりではなく、モールドベースの短納期・低価格にも有効であると考えています。
よって私たちサカモトは、平成16年にトップソリッドを導入し、3次元CADデータのみでモールドベースを受注できる生産体制の構築に積極的に取り組んでまいりました。
現在では、トップソリッドデータでは加工プログラムの自動化を実現し、短納期化・品質向上に貢献しております。またパラソリッド等のデータでも2次元データよりも効率的にプログラム作成が可能となり、支障なく対応が可能となりました。
まだまだ3次元CADCAMは進歩しており、今後更に有効な機能が開発されることと思いますが金型メーカー殿およびCADCAMベンダー殿と協力して、いま以上に短納期・品質向上・低価格化に努力する所存です。
3次元CADデータのみで発注を検討されているお得意様におかれましては、お気軽にメ-ルあるいは電話・FAXにてお問い合わせ下さい。早々に担当エリアの営業が、ご連絡のうえご説明に伺わせて頂きます。
金型業界の環境
1)エンドユーザー
下記要因により、ほとんどの製品データが3次元化されている。
- 3次元CADの進歩により、製品設計の自由度が大幅に向上した
- 製品形状の把握がしやすい
- 試作レスによるシュミレーシュンが可能
2)日本の金型メーカー
日本の金型メーカーでは、製品部分(入れ子)の設計およびCAMにおいては3次元化への急激な移行が見られますが、モールドベースにおいては、ほとんどが2次元のままであります。
その要因としては、
- モールドベースは、3次元の必要性が乏しい
- 2次元CADが存在し、またそのオペレーターも在籍している
- 3次元CADが高価である
- 2次元CADの習熟度が高いため、導入時期は3次元CADの生産性が低い
- モールドベースメーカーが、3次元に対応していない
⇒ 対応していないため、金型メーカーではモールドベース発注の際に3次元データを2次元に変換して依頼しなければならない。
3)モールドベースメーカー
現状では一部3次元対応の試みがされていますが、基本的には対応していません。
その要因としては、
- 3次元データのみで受注した場合のメリットがほとんどない
⇒ 加工属性の規格化がされていないため、同一CADメーカーの場合でしか加工属性の受け渡しが出来ない。
よって加工定義をすることとなり、2次元CADとの生産性は変わらない。
また同一メーカーであっても、各孔における加工属性および加工属性に対する加工精度などの取り決めが必要である。
⇒ 寸法が入っていないため、寸法を確認しないと見積が出来ない。
⇒ 寸法が入っていないため、現場での寸法チェックが必要な加工(板厚・ポケット寸法など)がある場合は、寸法の入った図面の作成および出図が必要になる。
⇒ 加工精度が入っていないため、現場での加工精度チェックが必要な加工(ポケット仕上げ・深さ指定など)がある場合は、寸法公差の入った図面の作成および出図が必要になる。また加工公差については、打ち合わせの短縮のため事前の取り決めが必要である。
⇒ ラジアル・ガンドリルなどの汎用機で加工する場合は、寸法を入れた側面図が必要となる。 - 3次元化を要望する金型メーカーが少ない
3次元化を要望する金型メーカーが少ないため、受注量が平準化されずオペレーターの育成が難しい。 - 3次元CADが高価である
3次元CADが高価であるため、導入台数が少ない
4)CAD/CAMベンダー
CAD/CAMベンダーは、2次元の成熟・限界から現在ではほとんどのソフト開発を3次元に集中しています。
つまり現状の3次元CAD/CAMの問題点(操作性・機能など)を解決し、より使いやすく、設計時間が短縮(自動設計機能など)されることが差別化の重要な要素になります。
よって今後の金型用3次元CADでは、金型の構造設計も含めた設計時間が短縮される設計支援ソフトの開発が強化され、それらの活用によって金型の大幅な設計時間短縮が予想されます。
お客様のメリット
- 設計者育成の効率化
- 設計者の育成の中で、2次元の設計手法(三角法)の教育の必要がなくなる。
- 設計する場合も、加工現場で加工する場合も、2次元の三角法の教育は非常に時間がかかる。例えば2次元の場合は、同じ製品を図面化しても金型設計者によって書き方は千差万別であり、図面の理解しやすさで明らかな差が生じる。
- しかし3次元では、誰が書いても同じデータとなる。(設計履歴は別)
- これは、加工現場でも同様なことが生じ、従来の図面を読み取る時間が大幅に短縮される。ただし3次元図面の出図が困難なため、現場でも確認が出来るよう端末が必要になる。
- またCADオペレーターの育成においても、現状では、2次元と3次元のオペレーターを分けて育成しているが、モールドベースを3次元化することで、2次元のオペレーターの育成が必要なくなり、CADシステムも統一される。
- また2次元と3次元の負荷の平準化も可能となる。
- 設計ミスの軽減
- 情報モレ
2次元の場合は、書かない形状や断面図あるいは隠れ線などを駆使するため、形状の情報モレの可能性があるが、3次元では、全ての形状情報を表示することから情報モレの可能性は少ない。 - 干渉チェック
2次元の場合は、干渉チェックは平面上でのチェックとなりZ方向にずれている場合もチェックされる。しかしZ方向データを持つ3次元では、本当に干渉している場所のみのチェックで済み、確実なチェックが可能となる。 - ピッチ変更による変更モレ
部品と加工が連動しているため、部品のピッチ変更をする場合、部品を移動させるだけでそれに関連する加工も全て移動するため、A板は変更したがB板は変更を忘れてしまったという変更モレがなくなる。 - 設計時間の短縮
- 設計段階でどのように表現するか(断面図あるいは隠れ線など)は考える必要がなく、頭でイメージした機能をそのまま作成するため設計時間の短縮になる。
- モールドベース、部品、加工属性を連動させることによって、設計の効率化と属性入力が必要なくなる。
- 部品を社内規格としてデータベース化することによって、その部品(スライド・コア部品など)およびそれに関連する加工の設計時間が短縮される。
- 検図の時間が短縮される。
- 今後、設計支援ソフトが充実することによって、より設計時間の短縮が予想される。
当社のメリット
現在ではモールドベースメーカーのメリットは上記で述べたようにほとんどありませんが、将来の予想されるメリットを述べます。
1)営業力の強化
- 今後、3次元に対応するメーカーと対応しないメーカーに分かれると予想されるが、3次元データでの発注を要望する金型メーカーに対しては差別化となり、営業力の強化につながる。
2)プログラム作成の効率化
- 複雑な図面を理解するための時間の短縮
複雑な図面の場合、現在は工場幹部が加工工程により色分けをして、かつプログラム作成者と注意事項の打ち合わせを行ってから作成している よってこれら図面の把握にかかる時間は、大幅に短縮される。 - プログラム作成の短縮
前提条件として、同一のCAD(将来加工属性を変換言語でも付与出来るようになれば必要なし)を使用しており、加工属性の付与および加工精度の取り決めがされている場合は、プログラム作成の大幅な短縮が予想される。
現在対応している機種は、「現在の対応機種」を参照願います。
3)設計変更の減少に伴う作業軽減
- 前述しました「金型メーカーの3次元化メリット」の設計ミスの軽減により、当社が頂いたデータの変更も減少することから、設計変更に伴う作業が軽減します。
これにより金型メーカーにとっても、当社にとっても、問い合わせ時間の削減が図れます。
現在の対応CAD
現在、変換ソフトを使用せずオリジナルデータで対応している機種は、
TOPsolid = コダマコーポレーション株式会社CAD meister= 日本ユニシス株式会社CGシリーズ(CG MOLD Design)= 株式会社C&GシステムズCGシリーズ(CG CAM-TOOL)
です。
ただし上記以外の機種においても、2次元データは必要ありません。
パラソリッドデータに変換して送信して頂ければ、従来の2次元でのデータ作成よりは短時間でプログラム作成が可能となっておりますので、よろしくお願い致します。
今後の検討課題
1)機密保持の徹底
- 3次元CADの場合、製品データとモールドベース加工(エジェクタピン加工など)が連動している場合は、製品データを削除出来ないためモールドベースデータと一緒に製品データも支給しなければならない。
よってモールドベースメーカーの機密保持の体制は、より厳格にする必要がある。
2)メール容量の増大
- 上記同様モールドベースデータと一緒に製品データも支給されるため、支給データの容量が大きくなる。
※ただしTopSolidのスレーブパート機能によって、加工属性を残したまま製品データを削除可能となることから、上記1,2の問題は解消されます。
3)異機種CADメーカー間の加工属性の受け渡し
- 現状では、異機種CADメーカーで作成したデータを受け取る場合、変換ソフトを使用した時点で加工属性は消滅してしまう。
4)過去の2次元データの流用が出来ない
- 現在は、形状の近い製品の設計は、過去の2次元データを修正して作成することによって効率化を図っている客先が多くあります。
- 3次元化することによって、過去の2次元データは資料としては活用できますが、そのまま流用するという訳にはいかなくなります。しかし3次元データを蓄積することによって、2次元データを修正することによる設計ミスも、3次元データでは生じにくいことから修正時間の短縮になると思われます。
昨今客先よりモールドベース手配を3次元CADデータのみで発注できないかとの問い合わせが、増加してきています。
モールドベースの3次元化は、金型メーカーの構造設計時間の短縮になるばかりではなく、モールドベースの短納期・低価格にも有効であると考えています。
よって私たちサカモトは、平成16年にトップソリッドを導入し、3次元CADデータのみでモールドベースを受注できる生産体制の構築に積極的に取り組んでまいりました。
現在では、トップソリッドデータでは加工プログラムの自動化を実現し、短納期化・品質向上に貢献しております。またパラソリッド等のデータでも2次元データよりも効率的にプログラム作成が可能となり、支障なく対応が可能となりました。
まだまだ3次元CADCAMは進歩しており、今後更に有効な機能が開発されることと思いますが金型メーカー殿およびCADCAMベンダー殿と協力して、いま以上に短納期・品質向上・低価格化に努力する所存です。
3次元CADデータのみで発注を検討されているお得意様におかれましては、お気軽にメ-ルあるいは電話・FAXにてお問い合わせ下さい。早々に担当エリアの営業が、ご連絡のうえご説明に伺わせて頂きます。
1)エンドユーザー
- 下記要因により、ほとんどの製品データが3次元化されている。
- 3次元CADの進歩により、製品設計の自由度が大幅に向上した
- 製品形状の把握がしやすい
- 試作レスによるシュミレーシュンが可能
2)日本の金型メーカー
- 日本の金型メーカーでは、製品部分(入れ子)の設計およびCAMにおいては3次元化への急激な移行が見られますが、モールドベースにおいては、ほとんどが2次元のままであります。
その要因としては、 - モールドベースは、3次元の必要性が乏しい
- 2次元CADが存在し、またそのオペレーターも在籍している
- 3次元CADが高価である
- 2次元CADの習熟度が高いため、導入時期は3次元CADの生産性が低い
- モールドベースメーカーが、3次元に対応していない
- 対応していないため、金型メーカーではモールドベース発注の際に3次元データを2次元に変換して依頼しなければならない。
3)モールドベースメーカー
現状では一部3次元対応の試みがされていますが、基本的には対応していません。
その要因としては、
- 3次元データのみで受注した場合のメリットがほとんどない
- 加工属性の規格化がされていないため、同一CADメーカーの場合でしか加工属性の受け渡しが出来ない。
よって加工定義をすることとなり、2次元CADとの生産性は変わらない。
また同一メーカーであっても、各孔における加工属性および加工属性に対する加工精度などの取り決めが必要である。 - 寸法が入っていないため、寸法を確認しないと見積が出来ない。
- 寸法が入っていないため、現場での寸法チェックが必要な加工(板厚・ポケット寸法など)がある場合は、寸法の入った図面の作成および出図が必要になる。⇒ 加工精度が入っていないため、現場での加工精度チェックが必要な加工(ポケット仕上げ・深さ指定など)がある場合は、寸法公差の入った図面の作成および出図が必要になる。また加工公差については、打ち合わせの短縮のため事前の取り決めが必要である。
- ラジアル・ガンドリルなどの汎用機で加工する場合は、寸法を入れた側面図が必要となる。
- 3次元化を要望する金型メーカーが少ない
- 3次元化を要望する金型メーカーが少ないため、受注量が平準化されずオペレーターの育成が難しい。
- 3次元CADが高価である
- 3次元CADが高価であるため、導入台数が少ない
4)CAD/CAMベンダー
CAD/CAMベンダーは、2次元の成熟・限界から現在ではほとんどのソフト開発を3次元に集中しています。
つまり現状の3次元CAD/CAMの問題点(操作性・機能など)を解決し、より使いやすく、設計時間が短縮(自動設計機能など)されることが差別化の重要な要素になります。
よって今後の金型用3次元CADでは、金型の構造設計も含めた設計時間が短縮される設計支援ソフトの開発が強化され、それらの活用によって金型の大幅な設計時間短縮が予想されます。
1)設計者育成のメリット
- 設計者の育成の中で、2次元の設計手法(三角法)の教育の必要がなくなる。
- 設計する場合も、加工現場で加工する場合も、2次元の三角法の教育は非常に時間がかかる。例えば2次元の場合は、同じ製品を図面化しても金型設計者によって書き方は千差万別であり、図面の理解しやすさで明らかな差が生じる。
しかし3次元では、誰が書いても同じデータとなる。(設計履歴は別) - これは、加工現場でも同様なことが生じ、従来の図面を読み取る時間が大幅に短縮される。ただし3次元図面の出図が困難なため、現場でも確認が出来るよう端末が必要になる。
- またCADオペレーターの育成においても、現状では、2次元と3次元のオペレーターを分けて育成しているが、モールドベースを3次元化することで、2次元のオペレーターの育成が必要なくなり、CADシステムも統一される。
- また2次元と3次元の負荷の平準化も可能となる。
2)設計ミスの軽減
- 情報モレ
2次元の場合は、書かない形状や断面図あるいは隠れ線などを駆使するため、形状の情報モレの可能性があるが、3次元では、全ての形状情報を表示することから情報モレの可能性は少ない。 - 干渉チェック
2次元の場合は、干渉チェックは平面上でのチェックとなりZ方向にずれている場合もチェックされる。しかしZ方向データを持つ3次元では、本当に干渉している場所のみのチェックで済み、確実なチェックが可能となる。 - ピッチ変更による変更モレ
部品と加工が連動しているため、部品のピッチ変更をする場合、部品を移動させるだけでそれに関連する加工も全て移動するため、A板は変更したがB板は変更を忘れてしまったという変更モレがなくなる。
3)設計時間の短縮
- 設計段階でどのように表現するか(断面図あるいは隠れ線など)は考える必要がなく、頭でイメージした機能をそのまま作成するため設計時間の短縮になる。
- モールドベース、部品、加工属性を連動させることによって、設計の効率化と属性入力が必要なくなる。
- 部品を社内規格としてデータベース化することによって、その部品(スライド・コア部品など)およびそれに関連する加工の設計時間が短縮される。
- 検図の時間が短縮される。
- 今後、設計支援ソフトが充実することによって、より設計時間の短縮が予想される。
現在ではモールドベースメーカーのメリットは上記で述べたようにほとんどありませんが、将来の予想されるメリットを述べます。
1)営業力の強化
- 今後、3次元に対応するメーカーと対応しないメーカーに分かれると予想されるが、3次元データでの発注を要望する金型メーカーに対しては差別化となり、営業力の強化につながる。
2)プログラム作成の効率化
- 複雑な図面を理解するための時間の短縮
複雑な図面の場合、現在は工場幹部が加工工程により色分けをして、かつプログラム作成者と注意事項の打ち合わせを行ってから作成している よってこれら図面の把握にかかる時間は、大幅に短縮される。 - プログラム作成の短縮
前提条件として、同一のCAD(将来加工属性を変換言語でも付与出来るようになれば必要なし)を使用しており、加工属性の付与および加工精度の取り決めがされている場合は、プログラム作成の大幅な短縮が予想される。
現在対応している機種は、「現在の対応機種」を参照願います。
3)設計変更の減少に伴う作業軽減
- 前述しました「金型メーカーの3次元化メリット」の設計ミスの軽減により、当社が頂いたデータの変更も減少することから、設計変更に伴う作業が軽減します。
これにより金型メーカーにとっても、当社にとっても、問い合わせ時間の削減が図れます。
現在、変換ソフトを使用せずオリジナルデータで対応している機種は、
TOPsolid | = コダマコーポレーション株式会社 |
CAD meister | = 日本ユニシス株式会社 |
CGシリーズ(CG MOLD Design) | = 株式会社C&Gシステムズ |
CGシリーズ(CG CAM-TOOL) |
です。
ただし上記以外の機種においても、2次元データは必要ありません。
パラソリッドデータに変換して送信して頂ければ、従来の2次元でのデータ作成よりは短時間でプログラム作成が可能となっておりますので、よろしくお願い致します。
1)機密保持の徹底
- 3次元CADの場合、製品データとモールドベース加工(エジェクタピン加工など)が連動している場合は、製品データを削除出来ないためモールドベースデータと一緒に製品データも支給しなければならない。
よってモールドベースメーカーの機密保持の体制は、より厳格にする必要がある。
2)メール容量の増大
- 上記同様モールドベースデータと一緒に製品データも支給されるため、支給データの容量が大きくなる。
※ただしTopSolidのスレーブパート機能によって、加工属性を残したまま製品データを削除可能となることから、上記1,2の問題は解消されます。
3)異機種CADメーカー間の加工属性の受け渡し
- 現状では、異機種CADメーカーで作成したデータを受け取る場合、変換ソフトを使用した時点で加工属性は消滅してしまう。
4)過去の2次元データの流用が出来ない
- 現在は、形状の近い製品の設計は、過去の2次元データを修正して作成することによって効率化を図っている客先が多くあります。
- 3次元化することによって、過去の2次元データは資料としては活用できますが、そのまま流用するという訳にはいかなくなります。しかし3次元データを蓄積することによって、2次元データを修正することによる設計ミスも、3次元データでは生じにくいことから修正時間の短縮になると思われます。